英語では人の名前を「~さん」「~様」と呼ぶ場合、”Ms.~” や “Mr.~”と名前の前に敬称をつけて呼びます。
日本でも「ミス」「ミスター」「ミセス」という言葉は馴染みがありますよね。
しかし、多くの日本人がこれらを間違えて使っているのではないのかなと思います。
実はこの “Ms.” や “Mr.” などは結婚しているかどうかで使い分け、また発音も日本で使われている発音とは少し違います。
ちなみに敬称は、「名字」または「フルネーム」で使われます。
“Ms.”
まず “Ms.” ですが、「ミス」ではなく「ミーズ」のように発音します。
“Ms.” は結婚しているかどうかをさけて女性の名前を呼ぶときに使われます。
ですので、結婚しているかどうかわからない相手にはこの “Ms.” を使います。
mɪz
a title used before the family name or full name of a woman, used to avoid saying if she is married or not
Cambridge Dictionary
“Miss”
次に “Miss” ですが、こちらは「ミース」と発音します。
“Miss” は結婚していない女性や、若い女の子に対して使われます。
「ミス~コンテンスト」の「ミス」は、”Ms.” ではなく、こちらの “Miss” です。
mɪs
a title used before the family name or full name of a single woman who has no other title
Cambridge Dictionary
“Mrs.”
次に “Mrs.” ですが、日本では「ミセス」と言われますが英語では「ミスィズ」のように発音します。
ですので、日本のロックバンドの “Mrs. GREEN APPLE” は「ミセス・グリーン・アップル」ではなく、英語では「ミスィズ・グリーン・アポー」のように発音します。
“Mrs.” は結婚している女性に対して使われます。
ˈmɪs.ɪz
a title used before the family name or full name of a married woman who has no other title
Cambridge Dictionary
“Mr.”
次に “Mr.” ですが、こちらは日本語の「ミスター」と発音がほぼ変わりません。
“Mr.” は “Ms.” のように未婚既婚関係なく使うことができます。
女性の敬称がいくつかあるのに対して男性の敬称が “Mr.” しかないのは、昔は「男女不平等」な社会だったことが背景にあります。
昔は “Miss” “Mrs.” と女性のみを未婚既婚を区別して呼んでいました。
その後、男女同権の運動により「女性のみ未婚既婚の区別をするのは不公平だ」という声が強くなり、”Ms.” という区別のない敬称が生まれました。
“Mx.”
最後に紹介するのが “Mx.” です。
多くの人が聞いたことがないのではないのかなと思います。
発音は「ミクス」のように発音します。
ここ数年 “LGBTQ” という言葉が有名になり、性的マイノリティ(性的少数者)が尊重されるようになってきました。
この “Mx.” は性別が何であるのか言いたくない人、また自分が女性でも男性でもないという性の認識の人に対して使われます。
mɪks
a title used before the family name of a person who does not want to say what gender they are or whose gender identity is not exactly male or female
Cambridge Dictionary